ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2015.11.13 11:30

道徳的ジレンマをためす『トロッコ問題』

わたしの小中学生時代は、道徳の授業と言えば、教室のテレビデオで
NHKの教育番組『たんけんぼくのまち』や、被差別部落をテーマにした
ドラマを見たりしたぐらいで、なにか難しい命題について話し合った記憶
なんてないのですが・・・

最近は、道徳の教科書に、人間の道徳的ジレンマを試す『トロッコ問題』
掲載されていたりするようです。
サンデル教授が講義のなかで紹介して流行ったようですが。


『トロッコ問題』

Q あなたは線路がY字に分岐する場所に立っています。
そこへ、ブレーキの壊れたトロッコが猛スピードで走ってきました。
前方の線路では、5人の作業員が異変に気づかずに作業中。
このままでは、トロッコは5人を確実に轢き殺してしまいます。
あなたが線路の分岐器を切り替えれば、この5人は確実に助かります。
しかし、分岐先のもう一本の線路の先にも、1人の作業員がいました。
あなたがこの線路へトロッコを引き込むと、5人は助かりますが、
1人は確実に死にます。避難させる余裕はもうありません。
さて、道徳的に正しい選択は?


私は「これも運命と思ってなにもせず合掌する」と即答した人間なので、
5人死んじゃうんですが、『それは道徳的にアリなのか?』と考えてみると
自分の深層心理と向きあう作業がはじまります。

◎「これも運命」と達観したように見せて、その実は「関わりたくない」という
逃避ではないのか。それは道徳的なのか?

◎誰かを助けるために、誰かを犠牲にするのはアリか、ナシか。

◎人数の比較で「5人を助けるために分岐器を引く」と答える人がいた場合、
自分は、その人の判断を道徳的にどうとらえるのか? 批判できるか?


「自分ならこうする」という決断のほかに、自分とは違う意見を持つ回答者を、
どんな風にとらえるのかということにも、このトロッコ問題の意味があるように
思います。
ところで、この『トロッコ問題』は連作になっています


Q あなたは高架の上から一本道の線路を見降ろしています。
そこへ、ブレーキの壊れたトロッコが猛スピードで走ってきました。
前方では、5人の作業員が作業中、このままでは、5人は確実に死にます。
ところで、あなたのそばには、自力で歩くのもやっとな巨漢の人がいます。
この巨漢の人を線路に突き落とせば、この人は死にますが、暴走トロッコを
止めることができ、5人は助かります。
さて、道徳的に正しい選択は?


「巨漢ひとりで暴走トロッコが止まるかい!」と、ちゃぶ台をひっくり返すのも
その人の心理を如実に表わすものかもしれません。
でも、少し考えてみて下さい。

「5人を助けるために分岐器をいじった結果、1人が死ぬ」のと、
「5人を助けるために1人を突き落として殺す」のと。
死ぬ人数は同じでも、ジレンマの種類が変わってきます。

最初の質問では「1人を犠牲にして5人を助けるかも…」と考えた人も、
この質問では、「人を殺してまで助けるなんて道徳的にありえない」と
すぐに批判するのだそうです。

◎線路にいたのが、5人の子どもだったらどう感じるのか?

◎自分の価値観は正しいものなのか?

◎正義と道徳は一致するのか?

いろんな論点が生まれてきます。

今回は、道場への応募とともにアンケートも行っています。

「これはどう判断するのが道徳的に正しいのか?」と迷った問題(出来事)。

https://www.gosen-dojo.com/?page_id=1002

ぜひ、あなたの葛藤を教えて下さい。


「道徳Revenge」

平成27年12月13日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

1213日、今年最後の「ゴー宣道場」のテーマを発表する。

「道徳Revengeとする!


幻冬舎から宮台真司・東浩紀・小林よしのりの鼎談で
出版
された新書は『戦争できる国の道徳』である。

この内容も含めた、そしてもっと身近な道徳的判断の
難しい
例題を出しながら、現代における道徳の可能性と
限界を議論
する。

 

打ち合わせの席で、切通理作氏があまりにも多くの例題を

次々に連発するのに一同驚嘆した。

理作氏自身が道徳と不道徳の境界線上を生きている
証かも
しれないが、その実力を大いに発揮するときが来た。


したがって今回は、切通理作氏に
30分間の
基調講演をして
もらうことになった。

 

今回の内容はかなり際どい。というか危険かもしれない。

幼い子供さんは連れて来ない方がいいと思う。

小学生は無理、中学生は微妙、高校生以上なら
OKと言って
おこう。


さあ、今年最後の「ゴー宣道場」を締めくくる
禁断の議論の
幕を上げよう。


応募締め切りは
122だ。ふるって応募せよ!

道徳的判断が難しい例題も募集中!!


 
アンケート受付中!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。

※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。

・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている

reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。

「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成27年12/2(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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